海外FXでいくら利益を出すと税金が発生するか不安に感じている人はいませんか?海外FXで稼げるようになるのは嬉しけれど、その分払う税金が増えてしまうのは常に頭に入れておかなければなりません。
本記事では海外FXでの利益はいくらから税金が発生するのか詳しく解説していきます。
またできるだけ税金を抑えるために自分で実践できる4つの節税方法についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
海外FXでの利益はいくらから税金が発生する?
海外FXでの利益はいくらから税金が発生するかは「個人事業主」「会社員」「パート・アルバイト・収入のない主婦」でそれぞれ異なります。
以下の表は「個人事業主」「会社員」「パート・アルバイト・収入のない主婦」それぞれの、1年間の所得がいくらから税金が発生するかをまとめた表です。
個人事業主 | 1年間の所得が48万円以上 |
会社員 | 年収2,000万円以下なら会社からもらう給料以外の所得が20万円以上 |
パート・アルバイト・収入のない主婦 | 1年間の所得が48万円以上 |
個人事業主の人で海外FXでの雑所得以外にも、事業所得を受け取っている人もいるでしょう。
その場合は海外FXでの雑所得と事業所得を合わせた年間所得が48万円以上になったら確定申告が必要となり税金が発生します。
海外FXは損失の繰り越し(損失繰越控除)ができない
日本FXでは損失の繰り越しが可能ですが、海外FXでは損失の繰り越しができません。
そのため、もし日本FXで利益を出せず損失で終わった年があったとしても翌年利益が出た場合には、前年の損失繰越控除が受けられるため、税額を減らせます。
しかし海外FXの場合は前年に損失を出して翌年以降に利益が出せても、国内FXのように損失分の税金を引くことができません。
海外FXと日本FXの所得は内部通算と損益通算できない
まず損益通算とは赤字と黒字を相殺することです。
損益通算は「不動産所得」「事業所得」「譲渡所得」「山林所得」の4種類の所得にのみ適用されます。
海外FXの利益は「雑所得」、日本FXの利益は「先物取引に係る雑所得等」と損益通算の適用外でありどちらも損益通算はできません。
一方で内部通算とは同じ所得同士で損益を相殺することです。海外FXと日本FXは所得の種類が違うので内部通算はできません。
海外FXの税金を安くするための4つの節税方法を紹介!
ここでは海外FXで利益に対する税金を、できるだけ安くするためにできる節税方法を4つ紹介していきます。
節税するとしないとでは払う税額に大きな差が出てくるので、自分ができる対策はすべて行いましょう
1.必要経費をしっかり計上する
誰でも簡単にできる税金対策として、必要経費をしっかり計上することがあります。税金は海外FXの利益から経費を引いて算出される所得で決まります。
国税庁は必要経費に算入できる金額を以下のように定めています。
事業所得、不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。
- 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
- その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
引用元:国税庁HP
簡単に言うと必要経費とは、海外FXで利益を得るためにかかったお金のことです。必要経費の金額が大きいほど税金は安くなります。
トレーダーが計上できる必要経費には以下のようなものがあります。
- トレードに使うパソコンやスマートフォンの購入代金
- 検証などに使うノートやペンなどの用品
- FXの知識を得るために購入した関連書籍
- 取引に使うインジケーター
- 家賃(自宅で取引する場合)
- 電気代(自宅で取引する場合)
- 通信費(自宅で取引する場合)
- FXのセミナー参加費用・交通費・宿泊費など
自宅で取引を行っている場合、家賃や電気代・通信費の一部を経費として計上できます。経費に計上できるものは全て経費にすることをおすすめします。
海外FXで経費にできるものについては以下の記事で詳しくまとめています。
2.該当する所得控除は全て利用する
所得控除とは、所得の合計金額から差し引かれる金額のことで、税金の負担を減らすための措置です。
国税庁では所得控除のあらましを以下のように定めています。
所得税法では所得控除の制度を設けています。 これは、所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味しようとするためです。 それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得の金額の合計額から各種所得控除の額の合計額を差し引きます。
引用元:国税庁HP
所得控除には以下のような種類があります。
控除名 | 条件や内容 |
雑損控除 | 災害・横領・盗難で資産に損害があった場合に受けれる所得控除 |
医療費控除 | 1月1日から12月31日までの間に本人や配偶者、同居の親族などが支払った医療費が、10万円か一定の所得金額の5%のどちらか低い方以上支払った場合に適用される(最高200万円まで) |
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例) | 定期的な健康診断や予防接種を受けている人が対象。指定の医薬品を1年間で12,000円以上購入した場合、88,000円を上限として12,000円を超えた部分の金額が所得控除される。医療費控除かセルフメディケーション税制のどちらを受けるか選択できる |
社会保険料控除 | 1月1日~12月31日までに、納税する本人・配偶者・同居の親族などが支払った健康保険料・厚生年金保険料・国民健康保険料・国民年金の合計金額が控除される |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済の掛金や、iDeCo(イデコ)などの個人型年金加入者掛金が所得控除される |
生命保険料控除 | 生命保険・介護医療保険・個人年金保険に加入している場合、最大12万円の所得控除を受けれる |
地震保険料控除 | 地震保険に加入している場合、最大5万円の所得控除が受けれる。火災保険は適用されない |
寄付金控除 | 国・地方公共団体(ふるさと納税も)・特定公益増進法人・社会福祉法人に寄付すると控除を受けれる。寄付金の受領証(領収書)が必要 |
障害者控除 | 本人・配偶者または扶養親族が一定の障害者に該当する場合に適用される |
寡婦控除 | 夫と離婚した後に婚姻しておらず扶養家族がいて合計所得金額が500万円以下、もしくは夫と死別後に婚姻していない又は夫の生死が明らかでない一定の人で合計所得金額が500万円以下の場合に適用される |
勤労学生控除 | 納税者自身が学生で合計所得金額が65万円以下の場合などに該当するときは27万円の所得控除を受けることができます。 |
扶養控除 | 納税者に16歳以上で合計所得が48万円以下の扶養親族がいる場合に適用される |
配偶者控除 | 所得が1,000万円以下の納税者に、対象となる配偶者がいる場合に適用される |
配偶者特別控除 | 配偶者控除が受けられない場合でも納税者と配偶者の所得金額によって1万~38万円の控除が受けれる |
基礎控除 | 条件なしに48万円の控除を受けれる |
適用できる所得控除が多いほど税額を減らせるので、自分がどの所得控除を利用できるか必ず確認しましょう。
3.税金の低い海外へ移住する
最初に紹介しましたが海外FXでは利益を出すほど税率が上がります。所得が4,000万円を超えると最高税率の45%となり、住民税と合わせると55%もの税率がかかります。
そのため利益を出せるようになると、税金が安い海外へ移住するトレーダーも多いです。
税金が安く移住先として人気の国が「マレーシア」や「シンガポール」です。
マレーシアには住民税や消費税がありません。マレーシアの所得税は182日以上マレーシアに居る外国人には累進課税が適用され、最高税率は28%です。
またマレーシアに住所を持っていない非居住者の場合は、マレーシア国内での収入に対し一律28%の所得税がかかります。
シンガポールでは住民税がかかりません。所得税も累進課税が適用され、最高税率は22%です。
このようにシンガポールやマレーシアの税率は日本よりかなり低いことが分かり、移住することで大きく税金を節約できます。
4.法人化する
現在個人の口座で海外FXを行っている人は、法人化して法人口座を利用すると節税効果があります。
法人口座で海外FXを行うと「所得税」が「法人税」に変わります。海外FXで出た利益に対する所得税の最高税率は45%でした。
それに比べて法人税の税率は
- 資本金が1億円以下の法人で年間利益が800万円以下で15%
- 年間利益が800万円を超えると23.2%
となります。
また法人化することで計上できる経費の種類が増えます。個人のときに経費にしていた、海外FXを行うためのパソコン代金やセミナー参加費用などはもちろんですが、役員報酬も経費に計上できるようになります。
さらに法人口座では損益の合算ができるメリットもあります。個人で海外FX取引をする場合、海外FXで出た利益は「雑所得」となり、ほかの投資で得た利益や損失を合算できません。
しかし法人化することで、法人として行う他の事業の利益や損失を合算できるようになります。
このように節税することで、海外FXによる税金の負担を少しでも減らすことができます。無計画で稼ぐだけ稼いで税金が払えなくなった場合どうするべきかについては以下の記事を参考にしてください。
海外FXで稼ぐなら節税して税金を安く抑えよう!
海外FXでどんどん稼ぎ出すとその分支払うべき税金も増えていきます。自分が海外FXでの利益がいくらから税金が発生するのかをしっかりと理解して、できる節税対策は全て行うようにしましょう。
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