海外FX初心者の人は「pips」という言葉を聞いても、いまいちよく理解できないでしょう。
しかしFX取引をする上で、pipsについてしっかり理解を深めておく必要があります。今回は初心者の人にも分かりやすく1pipsについて解説していきます。
1pipsとは?
pipsとは、FXで使用される通貨単位です。
日本には「円」・アメリカには「ドル」など、それぞれの国にちゃんと決まった通貨の単位があるのに、なぜFXでは通貨単位をpipsで統一するのでしょうか?
それは通貨単位をpipsに統一することで、通貨単位の違う国同士の売買を分かりやすくスムーズに行うためです。
また、後で詳しく解説しますがpipsはFXの取引コスト「スプレッド」を表す際にも使われます。
円が絡む通貨の1pipsについて
ドル円・ポンド円・ユーロ円など、円が絡む通貨ペアにおける1pipsは以下のように考えます。
10pips=0.1円=10銭
100pips=1円=100銭
例えばドル円が20pips下がった場合は、0.2円の値動きがあったことになります。
円が絡まない通貨の1pipsについて
ユーロドル・ポンドドル・ドルカナダなど、円が絡まない通貨ペアにおける1pipsは以下のように考えます。
10pips=0.001ドル=0.1セント
100pips=0.01ドル=1セント
例えばポンドドルが20pips下がった場合は、0.002ポンドの値動きがあったことになります。
1pipsでいくら動く?損益の計算方法を知ろう!
1pips動くといくらの損益になるのか分からない人も多いでしょう。1pips動いた時の損益は
取引量については以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください!
海外FXでは1ロット=10万通貨が基本なので、1ロット=10万通貨で説明していきます。
⇒100,000×1pips(0.01円)で1,000円の利益
⇒3,000,000×30pips(0.3円)で900,000円の利益
⇒100,000×1pips(0.0001ドル)で1,000円の利益
⇒3,000,000×30pips(0.003ドル)で9,000円の利益
このようにpipsで損益を素早く計算できれば、取引する際に役立ちます。
初心者がpipsを意識して取引する際の注意点について
FX取引では「3,000円の利益が取れた」よりも「30pips取れた」というように、獲得pips数を意識しているトレーダーが多いです。
しかし特に初心者がpipsばかりを意識して取引をしていると、ロスカットされることがあります。
FX取引に慣れたトレーダーは注文する際に、利確60pips・損切30pipsなど、自分のルールに沿った利確と損切位置を設定していることがほとんどです。
しかし海外FX初心者の人がFX取引に慣れた人と同じように、利確と損切位置をpipsで決めて取引してしまうと、ロスカットされる可能性があります。
何故ならプロのトレーダーと初心者のトレーダーでは証拠金の金額に違いがあるからです。
例えば損失許容額が5,000円の初心者トレーダーがドル円を10,000ドルを購入する場合、50pips下落すると損切されます。
一方損失許容額が50,000円のプロトレーダーがドル円を10,000ドル購入する場合、500pips下落すると損切されます。
初心者の人はpipsではなく、自分の口座に入っている証拠金に対して許容できる損失額から最適な利確と損切位置を決めることが大切です。
スプレッド幅を計算する時もpipsが使われる
スプレッドとは買い値と売り値の差で、FX取引におけるコストのことです。スプレッド幅が広いほどコストがかかることになります。
そのためできるだけスプレッド幅が狭い海外FX会社を選んで取引すると、コストを抑えて有利に取引を進めれます。
このスプレッド幅もpipsを使って表されます。ここではスプレッド幅の計算方法を紹介します。
円が絡む通貨のスプレッドの計算方法
円が絡む通貨のスプレッドは以下の計算式で計算できます。
実際にMT5で現在の気配値を表示させ、赤枠で囲ったドル円とポンド円を例に紹介していきます。
まずドル円の買い気配(Ask)は108.680円・売り気配(Bid)は108.665円となっています。
ドル円を1万通貨購入する場合、先ほどの計算式に当てはめると(108.665-108.680)×10,000=150で150円がスプレッドとなります。
次にポンド円の買い気配(Ask)は152.091円・売り気配(Bid)は152.057円となっています。
ポンド円を1万通貨購入する場合、先ほどの計算式に当てはめると(152.057-152.091)×10,000=340で340円がスプレッドとなります。
円が絡まない通貨のスプレッドの計算方法
円が絡まない通貨のスプレッドは以下の計算式で計算できます。円が絡む通貨と違い、2段階に分けて計算します。
- (売値-買値)×取引通貨数=A
- A×取引レート=スプレッド
実際にMT5で現在の気配値を表示させ、赤枠で囲ったユーロドルとポンドドルを例に紹介していきます。
まずユーロドルの買い気配(Ask)は1.19751・売り気配(Bid)は1.19735となっています。
ドルが100円の時にユーロドルを1万通貨購入する場合、先ほどの計算式に当てはめると
- (1.19735-1.19751)×10,000=1.6
- 1.6×100円=160
で160円がスプレッドとなります。
次にポンドドルの買い気配(Ask)は1.39834・売り気配(Bid)は1.39809となっています。
ドルが100円の時にポンドドルを1万通貨購入する場合、先ほどの計算式に当てはめると
- (1.39809-1.39834)×10,000=2.5
- 2.5×100円=250
で250円がスプレッドとなります。
pipsをマスターして取引をスムーズに行おう!
これまでいまいちpipsを理解できていなかった人も、今回の記事で計算方法などを学び、これまで自分が獲得してきたpips数を確認してみましょう!
資金が増えてトレードに慣れてきたら、利益や損切を自分の損失許容額に合ったpipsに設定して注文してみましょう。
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